男性の育児休業

育児休業を取ると昇給が遅れる[法律と実際]

今回の記事は下記のような人に向けています。

・育児休業を取得すると賞与が減ったり、昇給が遅れたりするのは本当か知りたい。

・育児休業を取得後に賞与を減らされたり、昇給がなかったりしたが、法律的に問題ないのか知りたい。

 

育児休業を取得すると賞与が減ったり、昇給が遅れるなど、デメリットがあります。

私の賞与は育児休業で休んだ期間だけ引かれました

また、昇給については育児休業を3回取得しているので、6年間昇給はありません

法律上、育児休業の期間だけ賞与から引くことは違法ではありません

また、法律では育児休業をはさんだ期間の評価は企業が決めてよいことになっています。

このため、企業は育児休業をはさんだ期間の評価をゼロにしても法律違反にはならないのです。

今回の記事では、育児休業の法律から実際の体験談までを紹介します。

記事を読むことで、育児休業法を理解して、どこまでが合法なのか判断できるようになります。

育児休業を取得する前に法律を学んだり、取得後に法律以上のデメリットを受けた時に対応できるよう、あなたの身を守るために使って下さい。

この記事では厚生労働省が作成した育児・介護休業法のあらまし(以下、”あらまし”と記述します)を使って説明します。

”あらまし”は、育児休業法を簡潔にまとめた資料です。

育児休業を取ると昇給が遅れる[法律と実際]

育児休業を取ると昇給が遅れる[法律と実際]

1.育児休業法の不利益取り扱いについて

2.育児休業法からみた賞与が減る理由

3.育児休業法からみた昇給が遅れる理由

4.昇給への影響が大きい育児の要因3つ

5.マミートラック

6.育児休業前後の経験とスキルは無くならない

1.育児休業法の不利益取り扱いについて

育児休業の申し出や取得を理由に不利益な取り扱いをしてはならないと育児休業法にて定められています。

こちらは“あらまし“の90ページ「Ⅹ 不利益取扱いの禁止」に記載されています。

事業主は、育児休業、介護休業、子の看護休暇、介護休暇、所定外労働の制限、所定労働時間の短縮措置等、時間外労働の制限及び深夜業の制限について、その申出をしたこと又は取得等を理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはいけません。

不利益な扱いの例に関しては、“あらまし”の91ページに記載されています。

解雇すること。

② 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと。

③ あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること。

④ 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと。

自宅待機を命ずること。

⑥ 労働者が希望する期間を超えて、その意に反して所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限又は所定労働時間の短縮措置等を適用すること。

降格させること。

減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。

昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと。

不利益な配置の変更を行うこと。

⑪ 就業環境を害すること。

⑧の減給や賞与には補足として、下記の文が“あらまし”の91ページに記載されています。

育児休業等により労務を提供しなかった期間は働かなかったものとして取り扱うことは、不利益な取扱いに該当しませんが、休業期間、休暇を取得した日数、所定労働時間の短縮措置等の適用により現に短縮された時間の総和に相当する日数を超えて働かなかったものとして取り扱うことは、「不利益な算定」に該当します。

・(休業を申し出たがまだ休業期間に入っていない場合など)労務の不提供が生じていないにもかかわらず、育児休業等の申出等をしたことのみをもって、賃金又は賞与若しくは退職金を減額することも該当します。

⑨の昇進には補足として、下記の文が“あらまし”の91ページに記載されています。

・育児休業又は介護休業をした労働者について、休業期間を超える一定期間昇進・昇格の選考対象としない人事評価制度とすることは「昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと」に該当します。

育児休業の取得に関しての法律は別記事にまとめています。

法律より大きい不利益を受けた場合の対処法も上記リンク記事の「11.それでも育児休業を取得できないなら」にまとめているので、あなたの身を守るために使ってください。

2.育児休業法からみた賞与が減る理由

仕事をしていない期間は賞与から引かれるからです。

”あらまし”93ページ「休業期間を超える一定期間昇進・昇格の選考対象としないこと」についての図を使って説明します。

また、“あらまし”の91ページに下記のように記載されています。

育児休業等により労務を提供しなかった期間は働かなかったものとして取り扱うことは、不利益な取扱いに該当しません

私の勤めている企業でも取得した育児休業の期間分、賞与から引かれます。

仕事をしていない期間は賞与から引かれるため、賞与が減ります。

育児休業に関係のない期間も賞与が減額された場合、違法となります。

3.育児休業法からみた昇給が遅れる理由

昇給が遅れる理由は「育児休業をはさんだ期間は評価しないと企業が判断したから」です。

休業期間を超える一定期間昇進・昇格の選考対象としないこと」については“あらまし”の93ページに附則情報が記載されています。

次のような場合が不利益取扱いに該当するか否かについては、制度の合理性、公平性を勘案して判断する必要があります

「判断する必要があります。」とだけ記載されています。

つまり、育児休業をはさんだ評価は企業が決めてよいことになっています。

育児休業法にて評価する・しないの判断が会社に委ねられている以上、企業は評価しない事を選ぶことができます。

“あらまし”の例では育児休業の期間は7ヶ月になっていますが、1日でも育児休業を取得した場合でも評価しない企業もあるかもしれません。

私の勤めている企業では、育児休業明けの評価は最高でB評価となります。

私は3回の育児休業全て、年をまたがっていますので、計6年間はB評価になります。

 

ですが、育児休業を開始する直前が最も評価されるべき期間ではないでしょうか。

なぜなら、引継ぎや業務の棚卸をするからです。

引継ぎは属人化の解消に貢献しています。

私は自分にしかできない仕事を誰でもできるよう、手順書を作成しました。

手順書を読むことで、新人でも業務を進めることができるようになります。

このように、引き継ぎをする事で、属人化の解消に繋げることができるのです。

しかし、育児休業を取得するため評価の対象になりません

 

また、業務の棚卸を行えば、効率化することができます。

育児休業を取得する場合は抜けた穴をどのように埋めるか話し合います。

今までの作業が見直され、さらなる効率化を考えることになります。

また、会議の回数が減るなどの無駄を省くことにつながることもあります。

業務の棚卸は効率化につながるのです。

しかし、育児休業を取得するため、評価の対象になりません

 

個人的な意見ですが、育児休業前後の評価ポイントを次回の評価期間へ持ち越してほしいと思います。

育児休業法で定められていること

・昇給の条件が三年連続A評価の場合、休業期間を除いてA評価とすること

 

育児休業をはさんだ期間、評価しないことについて明記されていません

 

違法となるケースは「育児休業に関係のない期間も昇給対象外とした場合」になります。

4.昇給への影響が大きい育児の要因3つ

4.1.育児休業

育児休業を1日でも取得した場合は昇給対象から外される企業もあります。

このためか2019年では育児休業ではなく、有給休暇を取得する男性が多いです。

男性の子育て参加の現状と課題より(ワーク・ライフ・バランス&多様性推進プロジェクト2019年度第二回研究会より)

しかし、1週間ほど育児休業を取得したとしても、意味はありません。

子供にもよりますが、睡眠時間がとれず、辛い時期は4ヶ月ほど続くからです。

私は3回育児休業を取得した経験から、男性も育児休業を4ヶ月とることをオススメしています。

育児休業は4ヶ月取得することがオススメの理由はこちら

育児休業を取得したことで、賞与が減る、評価されない期間が出来るなどのデメリットはあります。

しかし、奥さん1人で育児をすることは困難です。

夫婦以外に育児出来る人がいない場合は、奥さんのために男性も育児休業は最低4ヶ月とることをオススメします。

4.2.有給日数が足りない

子供が生まれてからは、子供のために有給休暇を使用することになります。

なぜなら、子供は病気をよくするからです。

スーちゃん(長女)とリンちゃん(次女)の病気の体験談

アデノウイルス、ヘルパンギーナ、手足口病、急性胃腸炎、「流行りには乗る」といった感じで、保育園で流行したものはことごとくかかりました

特に0歳のころは1回の病気で連続5日間休むことも多かったです。

1ヶ月に2週間休むこともあります。

有給休暇を妻と交互にとっても足りなくなり、「子の看護休暇」も取得したことで欠勤にならずに済みました。

「子の看護休暇」とは小学校就学前の子の看病などをする労働者が、会社に申し出ることにより、1年度において5日(小学校就学前の子が2人以上の場合は10日) を限度として休むことができる制度です。

「子の看護休暇」は会社が決めており、給料が支給されない場合もあります。

入社時期によっては「子の看護休暇」がとれない場合もあるので、就業規則を確認しましょう。

子供が病気をすると有給日数が足りないので、「子の看護休暇」も使ってなるべく欠勤とならないように気を付けましょう。

 

また、会社によって祝日が休みでない場合があります。

私と妻が勤めている会社も祝日に出勤する必要があります。

この場合、保育園は祝日休みなので、有給休暇を取得するしかありません。

長女だけの時は臨時の保育所を探し、預けていました。

1日だけでも1万円以上かかりました。

次女が産まれてから、2人預けようとすると支出の方が大きくなるため、経済的に無理でした。

 

4.3.定時上がり・時短勤務

育児休業中に育児は終わりません。

育児休業後も育児を続けていくとなると、定時上がりや時短勤務をすることになります。

しかし、定時上がりや時短勤務をしていると昇給が難しくなります。

なぜなら、緊急時の対応が出来ないとされ、リーダーを任せてもらうことが出来なくなるからです。

私も育児休業開始前は通勤時間が往復4時間かかるため、時短勤務をしていました。

そのとき、自分にしかできない仕事をしていましたが、リーダーは別の人が任命されました。

5.マミートラック

子育てをする女性が昇進や昇給などの機会が難しくなるキャリアコースを選ぶことをマミートラックと言います。

マミーは母、トラックは陸上競技の周回コースを意味します。

昇給することが難しく抜け出せない事から、同じトラックをひたすら走っていることを例えにしています。

マミートラックのデメリット

・子育てしている女性には責任のある仕事を任せてもらえなくなったり、簡単な仕事だけをおしつけられる

・役職が下がったり、給与が大幅に下がるケースもある

マミートラックのメリット

育児に重点を置くことが出来る

・スケジュールに余裕のある仕事や、残業をしないで進められる仕事を任せてもらえる

・子供の病気で休んでも理解してもらえる

マミートラックにはメリットとデメリットがどちらもあります。

私もマミートラックの上を走っています。

育児をしているときはとても助かりますが、娘たちが大きくなった時、会社に居場所はあるのかとても不安です。

6.育児休業前後の経験とスキルは無くならない

 

育児休業前後の仕事をどんなに頑張ったとしても昇給対象から外れてしまう企業もあります。

しかし、経験とスキルは無くなりません

私はルーちゃん(三女)の育児休業をとる際、「私にしかできない仕事」がありました。

そこで、「私にしかできない」事を「新人でもできるように」手順書を作成しました。

手順書があれば、新人でも仕事を進めることが出来るので、属人化の解消になります。

私の持っている知識を全て出して作成した手順書は会社にとって有益なものだと思っています。

本来であれば「新人でもできるような手順書の作成」は昇給の加点項目となるハズです。

しかし育児休業を取得したため、いくら加点項目があっても昇給はありません。

「やっぱり無駄じゃん」と思う人もいるかもしれません。

しかし、「手順書を作成したスキル」は無駄ではありませんでした

新人でもできるようにするには「言葉」や「考え方」をきちんと伝えなくてはいけません。

文章や図だけで「言葉」や「考え方」を伝えるにはどうしたら良いかと頭をすごく使いました。

頭を使って手順書を作成したたことは、良い経験でした。

経験とスキルは無くならない」ので、1~2年間の昇給がなくても、次の年から昇給できるよう、全力を尽くしましょう。

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